• 平成17年度
 
 
例会・講演会案内(平成17年度)

日耳鼻福井県地方部会例会 学術講演会(2005.6.11)
日耳鼻福井県地方部会例会 学術講演会(2005.12.3)

第21回日耳鼻福井県地方部会学術講演会(2006.3.18)



日耳鼻福井県地方部会例会  学術講演会

日時
平成17年 6月 11日(土) 15:00〜16:30
会場 福井パレスホテル

(演 題)
1 教育講演
「脳磁図による聴覚機能の解明」
     講師 福井赤十字病院 耳鼻咽喉科
             部長  金子 賢一 先生
2 学術講演
  「喉頭デイ・サージャリーと再生治療」
     講師 福島県立医科大学医学部 耳鼻咽喉科学講座
            教授  大森 孝一 先生
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日耳鼻福井県地方部会例会  学術講演会

日時

平成17年12月 3日(土) 

会場 福井県国際交流会館

(演 題)
1 教育講演
「喉頭疾患と呼吸困難」
     講師 宇野耳鼻咽喉科医院
            副院長 宇野敏行先生
2 学術講演
  「めまい.難聴のUp-to-date」
     講師 東京医科歯科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
            教授  喜多村 健先生
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第21回日耳鼻福井県地方部会学術講演会

日時
平成18年3月18日(土)
会場 フェニックスプラザ

(演  題)
1.開口障害と顔面神経麻痺を生じた錐体部真珠腫の一例
扇和弘(福井総合)、山田武千代、小嶋章弘(福井大)、木村有一(福井総合)、
藤枝重治(福井大)
 今回我々は顔面神経完全麻痺、開口障害、回転性めまい、右耳漏、難聴、頭痛を生じた錐体部真珠腫の症例(76歳男性)を経験した。糖尿病、慢性腎不全、高血圧、狭心症などの合併症があったが、髄膜炎などを発症する可能性も考えられたため手術を行った。
 真珠腫は中頭蓋窩の硬膜に広く癒着し頭蓋内に侵入していた。上半規管上方から顎関節の間接包にまで進展しており、可及的に真珠腫を摘出し、外耳道の後壁を削り拡大させた。顔面神経は膝神経節付近の水平部で70%以上傷害されており、大耳介神経を用いて再建した。
 術後初期から、めまいおよび開口障害が消失し、食事と自力歩行が可能となり患者様のQOLは大きく改善した。
2.小児の中耳真珠腫に対する手術成績
山本健人、斎藤武久、意元義政、窪誠太、小嶋章弘、高林哲司、成田憲彦、須長寛、
高橋昇、藤枝重治(福井大)
 1991年7月から2004年12月までに、同じ治療方針で手術された15歳以下の中耳真珠腫(先天性および後天性)41例(43耳)に対する手術成績を検討した。 成人と比較して、先天性真珠腫の割合が多かった。真珠腫の遺残性再発は10耳(37%)であった。段階手術率、二次手術時の遺残率が高く、3回以上の手術を要した例が5耳あった。小児の中耳真珠腫は、その遺残率の高さから、段階手術の選択を含めた慎重な姿勢で望むことが要求される。
3.当科におけるbimodal人工内耳について
山田武千代、意元義政、窪誠太、小嶋章弘、高林哲司、成田憲彦、須長寛、高橋昇、
杉本千鶴、都築秀明、藤枝重治(福井大)伊藤俊久(社保福井)、井川秀樹(笠原)、
富永八千代(富永医院)
 聴力改善を目的とする手術では術側の聴力改善が最も重要であるが反対側の聴力にも注意を払う必要がある。当科では、2003年から2005年までの間に、人工内耳埋め込み術を13名の患者様に施行した。その中で、片側人工内耳と反対側補聴器(Bimodal)を装着している成人7症例(20歳から77歳)に関して、人工内耳装着による語音明瞭度検査(70 dB 音場検査)、反対側の補聴器の場合、片側人工内耳と反対側補聴器(Bimodal)装着の条件で手術後3ヶ月以内と手術後約1年で比較検討した。人工内耳装着による語音明瞭度、片側人工内耳と反対側補聴器による語音明瞭度は、それぞれ、平均で45.4 %、54.9 %までに改善した。
 一方、反対側補聴器の裸耳聴力は97.5 dBから100.6 %と変化がなかったが、反対側補聴器による語音明瞭度は、平均13.7 %から26.0 %と有意に改善した。片側人工内耳と反対側補聴器(Bimodal)装着は、自然な音感覚が得られる。人工内耳を装着するすることにより両側の中枢を刺激することにより反対側補聴器による語音明瞭度が改善したと推測された。
(注釈)
 人工内耳の仕組み:手術では耳の後ろを切開し、蝸牛の中に電極を、側頭骨の中にインプラントと呼ばれる内部装置を埋め込む。外部装置として、耳掛け形のスピーチプロセッサーを装着する。スピーチプロセッサーが音を集めて電気信号に変えて、電波でインプラントに飛ばし、さらに蝸牛内の電極に伝えることによって感知する仕組み。手術自体も改良が進み、切開は3、4センチまで短くなったほか、耳掛けのスピーチプロセッサーも補聴器程度に小さくなっている。
4.頭頸部手術後の滲出性中耳炎の発症について
金井理恵、金子賢一、堀真也、伊藤有未(福井赤十字)
 頭頚部手術が滲出性中耳炎発症の誘因となるのではないかと考え、手術後の滲出性中耳炎の発症頻度を調査した。対象は当科で手術を受けた患者48例94耳(男性22例、女性26例、16〜85歳、平均年齢47.2歳)。これらに対し、手術前日と手術後1〜2日目、および手術後5〜9日の計3回にわたり鼓膜の診察およびティンパノメトリーを施行した。手術後1回目の検査で94耳中6.4%において鼓室内に滲出液の貯留を認めた。また、ティンパノメトリーのピーク圧の平均値については術前が−22.0±29.7daPa(平均値±SD)であったのに対し、手術後1回目の検査では−62.9±85.1daPaと有意な低下(p<0.01)がみられた。手術後2回目の検査では−28.0±44.0daPaであり、手術前と有意差はなかった。頭頚部手術直後に中耳腔の陰圧化がみられ、実際に鼓室内に滲出液が貯留した症例が存在したことから、頭頚部手術が滲出性中耳炎の危険因子の一つである可能性が考えられる。
5.難治性鼻出血に対する経上顎洞顎動脈クリッピングの経験
成田憲彦、藤枝重治、意元義政、高林哲司、須長寛、高橋昇、山田武千代、
都築秀明 (福井大)
6.局所麻酔でする嚥下障害手術
津田豪太、坂本雅之、杉本寿史、近藤悟(福井済生会)
 我々は元々のPSが低かったり担癌状態であったりして、全身麻酔ができない症例にも局所麻酔でできる限り嚥下障害手術をしている。今回は、その治療効果と問題点を検討したので報告した。1989年4月から2005年9月(16年半)の間の74例を対象とした。嚥下機能改善手術では喉頭形成術併用例を中心に60例あり、誤嚥防止手術では気管食道分離術や声門閉鎖術などを14例に施行していた。全身状態不良など重症例が35例と多く(嚥下機能改善手術21例、誤嚥防止手術14例)、一方でごく軽度な誤嚥のため局所麻酔で十分対応可能だった症例が18例(全例嚥下機能改善手術)に認められた。治療効果では嚥下機能改善手術での著明改善が19例(48.7%)であり、誤嚥防止手術で誤嚥制御できたものは11例(78.6%)であった。それぞれ、全身麻酔でおこなった症例の有効率と比較すると、重症例では治療効果の低下が認められたが、全身状態を加味すると許容範囲かと思われた。
7.当科における声帯内注入療法の現状
須長寛(福井大)、井川秀樹(笠原)、坂下雅文(丹南)、津田豪太(福井済生会)、
意元義政、窪誠太、藤枝重治(福井大)
8.甲状腺進行癌頸部転移に合併したCastleman病の一例
森繁人(国立福井)、徳力雅治(舞鶴共済)、佐藤保則(金大・形態機能病理学)
9.甲状腺手術時に生じたラテックスアレルギーの一例
杉本千鶴、成田憲彦、河野陽子、都築秀明、藤枝重治(福井大)
 甲状腺手術時に生じたラテックスアレルギー症例を報告した。症例は56才の男性でアレルギー既往歴はなく、甲状腺腫瘍手術目的に入院された。全身麻酔導入時ラテックス手袋で触れた頚部皮膚に膨疹が出現したことより、ラテックスアレルギーと判断した。ラテックスフリー環境にして手術開始しステロイド等の点滴を行い、術中・術後経過問題なく退院された。アナフィラキシ−ショックによる死亡例の報告もあり、注意が必要である。
10.術前診断が困難であった甲状腺腫瘍の一例
金泉秀典、荒舘宏、嘉藤秀章(福井県立)
 症例34歳女性。甲状腺左葉下極に15mm大の腫瘍を認め、FNAではClassX 乳頭癌の診断。甲状腺左葉峡部切除術+左頸部リンパ節郭清術(D1)を行った。病理検査では腫瘍細胞は核に乳頭癌の所見を示し細胞質にyellow bodyを認めた。腫瘍間質は髄様癌に類似した所見を示した。またMIB-1免疫染色で細胞質、細胞膜に異所性陽性局在を示した。以上より硝子化索状腫瘍と診断した。硝子化索状腫瘍は希な疾患であり、悪性例の報告もある。2005年の甲状腺癌取扱い規約の改定により良性腫瘍からその他の腫瘍に分類変更となった。良悪性境界領域属すると思われ、悪性に準じた治療、術後経過観察が望ましい。
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